介護・医療の現場経験者が解説

🍃 おひとり様の終活ノート

死後事務委任

おひとり様の持ち家・空き家問題|亡くなった後、自宅はどうなる?

おひとり様が亡くなった後、持ち家はどうなるのか。相続人がいない場合の手続き・空き家問題・売却・寄付など、生前にできる備えをわかりやすく解説します。

「自分が死んだら、この家はどうなるのか」

持ち家に一人で暮らすおひとり様にとって、「自分が亡くなった後、この家はどうなるのか」は切実な問題です。

賃貸であれば解約すれば済みますが、持ち家(一戸建て・マンション)の場合はそう簡単にはいきません。不動産は「相続財産」として扱われるため、亡くなった後の手続きが複雑になります。

何も準備しないまま亡くなると、自宅が長期間放置されて「空き家」になったり、管理費・固定資産税だけが発生し続けたりするケースがあります。この記事では、おひとり様の持ち家が死後にどうなるのかと、生前にできる備えを解説します。

相続人がいる場合・いない場合で異なる

まず、持ち家の行方は「相続人がいるかどうか」によって大きく異なります。

相続人がいる場合

子ども・兄弟姉妹・甥姪などの法定相続人がいれば、自宅は相続財産として相続人に引き継がれます。相続人が複数いる場合は、遺産分割協議で誰が取得するかを決めます。

ただし、おひとり様の場合「遠方に住む甥・姪に相続されても困る」「特定の人に渡したい」という希望がある場合は、遺言書で指定しておく必要があります。

相続人がいない場合

法定相続人が誰もいない場合、不動産は以下の流れで処理されます。

  1. 家庭裁判所が相続財産管理人を選任
  2. 債権者への支払いや特別縁故者への分与
  3. 残った不動産は国庫に帰属(国のものになる)

この手続きには1年以上かかることも多く、その間も固定資産税や管理費は発生し続けます。

放置すると「空き家問題」になる

おひとり様が亡くなった後、持ち家が適切に処理されないと「空き家」になります。

空き家になると発生する問題:

  • 固定資産税・都市計画税が発生し続ける
  • 建物の老朽化・劣化が進む
  • 庭や外壁の管理が行き届かず、近隣に迷惑がかかる
  • 不法侵入・ゴミの不法投棄のリスク
  • 「特定空き家」に指定されると固定資産税が最大6倍になる

2023年に施行された空き家対策特別措置法により、管理不全の空き家への対応が強化されています。持ち家を持つおひとり様にとって、生前の対策は急務です。

生前にできる4つの備え

1. 遺言書で不動産の行き先を決める

最も確実な方法が遺言書です。「自宅を〇〇に相続させる」「〇〇に遺贈する」と明記することで、自分の意思通りに不動産を引き継いでもらえます。

相続人以外の友人・知人に渡すことも、遺贈という形で可能です。また、NPO法人や社会福祉法人に寄付する「遺贈寄付」も選択肢の一つです。

2. 生前に売却する

元気なうちに自宅を売却して、現金化しておく方法です。売却で得た資金は老後の生活費・終活費用に充てられます。

売却後は賃貸に住み替えるか、高齢者向け住宅(サービス付き高齢者向け住宅など)に移る方が多いです。判断力・体力があるうちに動くのが鉄則です。

3. 死後事務委任契約に不動産の処理を含める

弁護士・司法書士・NPOと結ぶ死後事務委任契約に、不動産の管理・売却・手続きを含めることができます。

「亡くなった後に家を売却して、その資金から費用を払ってほしい」という内容を契約に盛り込むことで、自分が動けなくなっても対応してもらえます。

4. 「相続土地国庫帰属制度」を知っておく

2023年4月に始まった相続土地国庫帰属制度は、相続した土地を国に引き渡せる制度です。「誰も引き継ぎたくない土地・建物を国に返せる」という仕組みで、条件を満たせば利用可能です。

ただし、建物がある場合は事前に解体が必要など条件があります。活用できるかどうかは専門家に相談しましょう。

マンションの場合は管理費・修繕積立金にも注意

分譲マンションの場合、亡くなった後も管理費・修繕積立金は発生し続けます。相続人がいなければ、これらの費用は相続財産から支払われますが、手続きが遅れると滞納になるリスクがあります。

マンションにお住まいのおひとり様は、死後事務委任契約に「管理費等の支払い継続」を含めておくか、管理組合に事前に相談しておくと安心です。

今すぐできること

① エンディングノートに不動産情報を書く

  • 物件の所在地・登記情報
  • 不動産会社・管理会社の連絡先
  • ローンの残債の有無
  • 自分の希望(売却・贈与・寄付など)

② 固定資産税の納税通知書を整理しておく 毎年届く固定資産税の納税通知書を保管場所をまとめておきましょう。死後の手続きで必要になります。

③ 専門家に相談する 不動産×相続の問題は複雑です。司法書士・弁護士・不動産会社への相談を早めに行いましょう。

まとめ:持ち家は「生前に方向性を決める」ことが最重要

おひとり様の持ち家は、何も準備しないと空き家になり、周囲に迷惑をかけるリスクがあります。生前に以下の3点を決めておくだけで、状況は大きく変わります。

  1. 誰に・どのように引き継ぐか(遺言書で明記)
  2. 生前売却か、死後処理か(方向性を決める)
  3. 死後事務委任契約に不動産処理を含める

元気なうちに動くことが、自分にとっても、周囲にとっても最善の備えです。まずは専門家への無料相談から始めてみてください。

#持ち家#空き家#おひとり様#終活#相続#不動産#死後事務委任