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終活の基本

おひとり様の終活チェックリスト|今すぐ確認すべき20項目

おひとり様の終活、何から始めればいいかわからない方へ。今すぐ確認すべき20項目をカテゴリ別にまとめました。できているものから始めましょう。

終活は「全部やろう」としなくていい

「終活を始めようと思っているけれど、何から手をつければいいのかわからない」——そんな声を、おひとり様の終活相談ではよく耳にします。

インターネットや本で終活について調べると、「遺言書を作りましょう」「任意後見の準備を」「エンディングノートを書いて」「デジタル遺産の整理も」と、やるべきことが次々と出てきます。それを見て「自分にはとても無理だ」と感じてしまう方も少なくありません。

でも、安心してください。終活は一度に全部やらなくていいのです。

大切なのは「できているものを増やしていく」という考え方です。今日できることをひとつやる。来月またひとつやる。そうした積み重ねが、やがてしっかりとした備えになります。

このチェックリストでは、おひとり様の終活で確認しておきたい20項目を5つのカテゴリに分けてまとめました。まずは全体を眺めて、「これはもうできている」「これは後でやろう」と気軽に仕分けするところから始めてみてください。

カテゴリ別チェックリスト20項目

カテゴリ1:書類・情報の整理

もしものとき、周囲の人が最初に困るのが「どこに何があるかわからない」という状況です。書類と情報を整理しておくことは、終活の出発点です。

□ エンディングノートを用意している 市販のエンディングノートでも、普通のノートでも構いません。「自分の情報・希望・メッセージ」をひとまとめにしておくことで、もしものときに動いてくれる人の負担が大きく減ります。書き始めたら、保管場所を信頼できる人に伝えておきましょう。

□ 保険証券・契約書類の保管場所を把握している 生命保険・医療保険・火災保険などの証券は、どこに保管してありますか?「引き出しのどこかにある」という状態では、死後に見つけてもらえないことがあります。ファイルにまとめ、場所を明記しておきましょう。

□ 預金通帳・証券口座の一覧を作っている 銀行口座・ゆうちょ銀行・ネット銀行・証券口座などをリストにまとめておきます。特にネット銀行やネット証券は通帳がないため、一覧がないと相続時に見落とされるリスクがあります。口座ごとに「銀行名・支店名・口座番号」を書き出しておきましょう。

□ スマホ・パソコンのパスワードを誰かが分かる状態にしている スマートフォンのロック解除コードや、メール・SNS・サブスクリプションのパスワードは、本人しか知らないことが多いです。死後に端末が開けなければ、重要な情報にアクセスできません。パスワード一覧を封筒に入れ「死後に開封」と書いて保管する方法が安全です。


カテゴリ2:医療・介護の備え

判断力が低下したとき、または緊急搬送されたとき、誰が・どのように動くかを決めておくことが大切です。

□ かかりつけ医がいる 定期的に通院している医師がいれば、持病・薬・アレルギーなどの情報を把握してもらえます。かかりつけ医がいない場合は、健康診断をきっかけに探してみましょう。かかりつけ医の連絡先をエンディングノートに書いておくことも忘れずに。

□ 延命治療についての意思を書き残している 「意識が戻らない状態になったとき、人工呼吸器や胃ろうを希望するか」——これは非常に重要な意思です。法的な効力はありませんが、エンディングノートや「事前指示書(じぜんしじしょ)」と呼ばれる書類に書いておくことで、医療現場での判断材料になります。

□ 任意後見制度の準備をしている(または検討している) 任意後見制度(にんいこうけんせいど)とは、認知症になる前に、財産管理や生活の手続きを任せる人(後見人)をあらかじめ自分で選んでおく制度です。おひとり様に特に重要な備えで、元気なうちにしか準備できません。弁護士・司法書士への相談から始めてみましょう。

□ 緊急時の連絡先リストを作っている 救急車が来たとき、病院から「ご家族の連絡先を教えてください」と言われたとき、誰の名前を伝えますか?信頼できる友人・知人・専門家(弁護士など)の連絡先を、財布やスマートフォンにわかりやすい形で入れておきましょう。


カテゴリ3:財産・相続の備え

おひとり様が亡くなった後、財産は法律に従って相続されます。自分の意思を反映させたい場合は、遺言書の準備が不可欠です。

□ 遺言書を作成している(または検討している) 遺言書(いごんしょ)は、死後の財産の行き先を法的に決める書類です。おひとり様で法定相続人(両親・兄弟姉妹など)がいる場合でも、自分が望む相手(友人・お世話になった人など)に財産を渡したいなら遺言書が必要です。自分で書ける「自筆証書遺言」や、公証役場で作る「公正証書遺言」があります。

□ 使っていない口座を整理している 昔使っていた銀行口座や、残高がわずかな口座を放置していませんか?口座数が多いと、死後の相続手続きが複雑になります。使っていない口座は解約し、メインの口座に一本化しておくと後々楽です。

□ デジタル資産の扱いを決めている 暗号資産(仮想通貨)・電子マネー・ポイント・有料コンテンツなど、デジタル上の資産は見落とされやすいものです。何があるかをリストアップし、「死後にどうしてほしいか」を書き添えておきましょう。

□ 生命保険の受取人を確認している 生命保険の受取人は、加入時に指定したままになっていることが多いです。状況が変わっていれば(離婚・死別・疎遠など)、受取人の変更が必要な場合があります。保険会社に問い合わせて現在の受取人を確認しておきましょう。


カテゴリ4:葬儀・お墓の備え

おひとり様の場合、葬儀を取り仕切ってくれる家族がいないことも多いです。事前に準備しておくことで、周囲の人の負担を大きく減らすことができます。

□ 葬儀社に事前相談をしている 「どんな葬儀にしてほしいか」「費用の目安はどのくらいか」を葬儀社に相談しておきましょう。事前相談は無料で行っているところがほとんどです。希望の葬儀の形(家族葬・直葬・一日葬など)を決めておくだけでも、周囲の人が動きやすくなります。

□ お墓の方針を決めている 「先祖のお墓に入る」「永代供養墓(えいたいくようぼ)を探す」「樹木葬を検討している」など、おひとり様のお墓の選択肢はさまざまです。おひとり様に人気なのは、個人の管理が不要で費用も抑えられる永代供養墓や、自然に還る樹木葬・散骨です。

□ 散骨・自然葬の希望を書き残している お墓を持たず、海や山などに遺骨を撒く「散骨」を希望する方も増えています。散骨を希望する場合は、必ずエンディングノートや遺言書に明記しておきましょう。口頭だけでは、周囲の人が判断できません。

□ 生前契約を検討している 葬儀社との「生前契約(せいぜんけいやく)」とは、生きているうちに葬儀の内容・費用を決めて契約しておくことです。おひとり様にとって、誰かに葬儀を任せる手間を減らせる安心の方法のひとつです。契約した場合は、契約内容と葬儀社の連絡先をエンディングノートに書いておきましょう。


カテゴリ5:人間関係の整理

終活で見落とされがちなのが「人とのつながり」の整理です。自分の死後に動いてくれる人を決めておくことは、おひとり様終活の核心でもあります。

□ 死後事務委任契約を検討している 死後事務委任契約(しごじむいにんけいやく)とは、亡くなった後の各種手続き(役所への届出・公共料金の解約・部屋の片付けなど)を、信頼できる人や専門家に依頼する契約です。法的効力のある契約なので、頼まれた人が確実に動いてくれます。おひとり様の終活において、特に重要な準備のひとつです。

□ 施設入居の際の身元保証について考えている 介護施設や老人ホームに入居する際は、「身元保証人(みもとほしょうにん)」を求められることがほとんどです。頼める家族がいない場合は、弁護士・司法書士、またはNPO法人の「身元保証サービス」を利用する方法があります。必要になってから慌てないよう、早めに情報収集しておきましょう。

□ 感謝の言葉・メッセージを書き残している お世話になった人への感謝の言葉を書いておくことも、終活の大切な一部です。生前に伝えるのが難しかったことも、エンディングノートや手紙として残しておくことで、想いを届けることができます。形式は自由——一言でも構いません。

□ ペットのことを決めている ペットを飼っているおひとり様にとって「自分が先に逝ったとき、ペットはどうなるか」は切実な問題です。引き取りを頼める人がいる場合は本人に了承を得て、連絡先とともにエンディングノートに書いておきましょう。引き取り手がいない場合は、ペット信託や里親マッチング団体への相談を検討してみましょう。


チェックリストの使い方

完璧を目指さなくていい

20項目を一気にすべてチェックしようとすると、途中で疲れてしまいます。まずは「もうできている」ものに印をつけ、「できていないけど簡単にできそうなもの」を1〜2項目選んで着手するだけで十分です。

特に優先してほしいのは「緊急連絡先リストの作成」と「エンディングノートの用意」です。費用もほとんどかからず、今日からすぐに始められます。それだけでも、もしものときの備えが大きく前進します。

年に1回、定期的に見直す

終活の状況は、時間が経つにつれて変わります。去年チェックできた項目も、状況が変わっていれば見直しが必要です。

誕生日・年末年始・引っ越しのタイミングなど、「このときに見直す」と決めておくと続けやすくなります。チェックリストに日付を書き込んでおくと、「いつ確認したか」が一目でわかって便利です。

書き直しが生じた場合は、古い内容を二重線で消して上書きする形で構いません。都度、日付を添えておきましょう。

まとめ:今日ひとつだけやってみる

おひとり様の終活は、「全部やろう」と気負う必要はありません。このチェックリストを眺めながら、「今日ひとつだけやってみよう」という気持ちで取り組むことが大切です。

まず取り組みやすいのは、

  1. 緊急連絡先リストをスマートフォンのメモに書く
  2. エンディングノートを1冊用意して、名前と生年月日だけ書く

この2つです。5分もあれば始められます。

おひとり様の終活で大切なのは「誰かが動ける状態をつくっておくこと」。そのための準備を、今日少しだけ前に進めてみましょう。

不安なことがあれば、地域の社会福祉協議会・弁護士・司法書士・行政書士の無料相談窓口を活用することをおすすめします。専門家に相談することで、自分の状況に合った具体的なアドバイスをもらうことができます。

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